用心深い私は寝室の枕元に金庫を置いて寝ています

妻は妊娠出産をして仕事を辞めるまで、インテリアデザイナーとして働いていました。だからやはりインテリアのセンスには自信があり、自宅も、夫の私が言うのもなんですが、かなりセンスよく、モデルルームのようなお洒落なインテリアにしています。小学生の娘も、お友だちを自宅に呼ぶと、家の格好よさを自慢できるのが嬉しいようです。

でも、そんな妻からすると、私の寝室はちょっと許せないみたいです。私と妻は、あえて夫婦別室で寝ています。私が腰が悪く、ベッドで寝るのが辛いとか、妻は私のイビキで睡眠を邪魔されるとか、色々な理由がありますが、夫婦仲は決して悪くありません。お互いに気遣い、考えた末に別室で寝ることにしました。和室が余っていたので、そこに布団を敷いて私の寝室としているのですが、普段から何かと用心深い私は、寝室の枕元に金庫を置いて寝ています。

金庫はそうそう開け閉めするわけでもありませんし、普通は押入れやクローゼットなどに収納している人が一般的なのでしょうか。でも私は、無機質で無骨な金庫を枕元に置くことで、色々と安心して寝ることができます。もちろん、泥棒が侵入してきて金庫を狙われたら、すぐに気が付けると思いますし、もし地震などで家が倒壊した場合、この丈夫な金庫で瓦礫から私を守ってもらえるかもしれません。金庫の丈夫は堅いので、ちょっとしたテーブル代わりにもできますし、和室の畳の中央に、和式布団一式と金庫。なかなか個性的ではないでしょうか。

インテリアを意識するなら、和室は和室らしく、木の温もりや和紙の趣を楽しんだりするものでしょうから、金属の塊が部屋の中央に居座っている風景に妻は我慢ならないようですが、私の寝室なので好きにさせてもらっています。畳にはすっかり金庫の跡がついてしまっているので、誰かがちょっとでも動かすとわかるのも、用心深い私には判断材料になり良いのです。